セッション1.「量子構造体:2つのメゾスコピック系」 |
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ディスカッションリーダー:渡辺信一(電通大) |
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メゾスコピック系の量子制御が広く関心を集めている。量子ドット(QD)は微細構造内に原子のように離散状態を持ち、特定のゲート電圧を加えると電気伝導度に鋭い共鳴ピークを示す。QDを経由する経路としない経路間の干渉によって、馴染の深い Fano profile が観測される。Aharonov-Bohm効果のようなトポロジカルな現象や、QD内の局在電子スピンによるFano-Kondo 共鳴の観測も行なえるそうである。
一方、原子トラップ技術とサブミクロン直径の光ファイバー(ナノファイバー)技術の組み合わせで、原子を用いたメゾスコピック系の研究が進行中である。冷却原子が、ナノファイバー表面に光波長以下の距離まで接近すると自然放出光の30%近くがファイバー伝播モードに放出される。ナノファイバー近傍に単一原子をトラップすることも可能になりつつある。操作性のある複数原子のトラップや量子もつれの制御も行えそうである。
2名の先生方をお招きして、ナノファイバー近傍での原子と光の物理と、量子ドットの物理をご紹介していただき、それらの対比や今後の展開などを議論したい。
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セッション2.「極短パルスレーザー場における分子」 |
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ディスカッションリーダー:菱川明栄(分子研) |
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近年のレーザー技術の発展に伴い,現在では10フェムト秒以下の極めて短いパルス幅をもつ高強度レーザー場の発生が実現されている。一般にこのような極短パルスレーザー場と相互作用した分子は振動運動に比べて十分速やかに多重イオン化するため,そのクーロン爆発過程を利用することによって,反応過程を構造の変化として実時間で追跡することが可能となった。一方,パルス幅が数光学サイクル程度である場合,パルス形状よりもその光電場波形が重要な役割を果たすことが報告されており,特に質量の軽い水素原子を含む多原子分子のダイナミクスに関心が寄せられている。
本セッションでは、極短レーザーパルスを用いた強レーザー場中における分子ダイナミクスについての最新の研究手法(実験・理論)を取り上げるとともに、極短パルスを用いた化学反応追跡及び制御に対する将来の展望と可能性について言及する。
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セッション3.「量子測定にまつわる基礎的問題」 |
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ディスカッションリーダー:井元信之(阪大) |
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量子力学誕生当初から議論の絶えなかった「量子測定の問題」は、ともする と実験と無関係な哲学的問題と思われがちであるが、一世紀近くにわたる碩学達の考察と技術の進展に伴い、問題の所在や実験との関係は一歩一歩掘り下げられて来ている。特に近年のテクノロジーの進歩はこの話題は哲学から実学へと変えつつあると言ってよい。測定とは何かという根源的問いに対する様々な 解釈、ベル不等式の意義と現在投げかけられている疑義の意味、不確定性やエンタングルメントの深い理解、測定分解能の標準量子限界の打破可能性と具体 的方法など、理論と実験の両面から話題提供する。現段階でどの話題がまだ実験に乗らずどの話題が実験に乗るのか、さらにどの話題は近未来の実用に繋がり得るものか、最先端の研究者に語ってもらうとともに、参加者の多面的な議論を喚起したい。
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