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AMO討論会 ポスター発表 要旨
 
1.電子コンプトン散乱を用いた時間分解反応顕微鏡の開発
山崎優一,大石慶也,葛西裕治,川瀬裕也,高橋正彦(東北大多元研)
我々は,化学反応とは物質内電子の運動の変化が先導して起こる原子核配置の変化であると定義づけ,反応を駆動する電子の運動量の変化そのものをスナップショット観測する次世代の化学反応顕微鏡の開発を進めている.本手法は,電子線コンプトン散乱を利用して分子軌道ごとの運動量分布を観測する電子運動量分光(EMS)と超短パルス電子線技術とを高度に組み合わせ,フェムト秒ポンプレーザーによる化学反応開始からの遅延時間の関数として過渡物質のEMS測定を行う手法であり,時間分解EMS(TREMS)と呼ぶ.講演では,TREMSシステム全体の紹介と開発したパルス電子銃によるEMS実験の成果について報告する.

2.統計的なモデルによるFano-Feshbach分子生成率のシミュレーション
山越智健 1, Chen Zhang 2, Chris H. Greene 2, 渡辺信一 1 (1.電気通信大学先進理工学専攻2.コロラド大学JILA)
半古典的なモンテカルロシミュレーションによりFano-Feshbach分子生成率の温度依存性についてシミュレートする.この統計的なシミュレーションは,位相空間上での条件に基づいている.このモデルをFermi-Fermi系(40K-40K),Bose-Bose系(85Rb-87Rb),Bose-Fermi系(39K-40K)について適用した.同様の系について平衡理論を適用したものと比較を行う.フェルミ温度以下かつBEC臨界温度以下で現れる,分子生成率の温度依存性の特徴的な振る舞いについて考察する.

3.光励起炭素クラスターの解離ダイナミクスの理論的研究
中村尭祉,新津直幸, 菅野学, 河野裕彦(東北大院理)
本研究では,XFELにより高い余剰エネルギー(~100eV)を持ったC60がどのようにして小さなフラグメントへ解離するかを調べた.XFELによる励起を想定して,8,10,12価のC60を構造最適化して初期エネルギーをクラスター全体に与え,密度汎関数緊密結合法を用いた分子動力学計算にて解離時間・解離パターン・解離後の生成物のエネルギー等を調べた.同様の手法で,C60の解離生成物の一つとして直線・環状C9+を対象にとり,これらのクラスターが更なる解離に至るまでのダイナミクスを調べた.

4.多電子ダイナミクスにおける時間依存分子軌道の化学ポテンシャル:LiH 
大村 周,1 小山田 隆行, 1 河野 裕彦, 1 加藤 毅, 2 小関 史朗3 (東北大院理,東大院理,大阪府大院理)
高強度近赤外レーザーによるイオン化における多電子ダイミクスを記述するために,多配置時間依存Hartree-Fock法[1]を開発した.これを使って,非線形,非定常過程に適用できる時間依存化学ポテンシャルμ(t)[2]を計算し,各軌道間のエネルギー交換を定量化した.本発表では,主に,内殻を持つLiH分子のイオン化における,内殻電子と原子価電子の相互作用について報告する.
[1]T. Kato and H. Kono, J. Chem. Phys. 128, 184102 (2008).
[2]T. Kato and H. Kono, Chem. Phys. 366, 46 (2009).

5.極低温リュードベリ原子の超高速コヒーレント制御
武井宣幸1,2,3,Christian Sommer1,3,子安邦明1,2,3,千葉寿1,3,4,大森賢治1,2,3  (1. 分子科学研究所, 2. 総合研究大学院大学,3. JST-CREST, 4. 岩手大学)
コヒーレント制御とは物質の波動関数の干渉を光で制御する技術である.我々は気相孤立分子の電子振動波束を対象として,その分子内波束干渉を,アト秒精度で制御されたレーザーパルスにより観測・制御する技術を確立してきた.この超高速観測制御手法を,光格子中の極低温Rb原子内のリュードベリ電子波束に適用することで,新たな量子シミュレーターの開発を目指している.本発表では,その研究計画および光双極子トラップ中の高密度Rb原子集団におけるリュードベリ電子波束の量子干渉実験について報告する.特に量子干渉の実時間測定において,リュードベリ電子波束間に誘起されるvan der Waals力に起因した多体相互作用の原子数密度依存性について議論する.

6.EUV-FELとYAGレーザーの同期システムの開発
1水野智也,1足立純一,2金井恒人,2東俊行,1柳下明 (1高エネ研, 2理研)
レーザー配向させた分子からの光電子回折測定を行うためにFELとYAGレーザーの同期システムと光電子-光イオン画像観測装置の開発を行っている.その予備実験としてArとCS2分子を標的に用いた実験をそれぞれ行った.その結果EUV-FELによるAr 3pからの光電子画像を取得する事に成功した.次にCS2分子に対してEUV-FELとYAGレーザーを同時に照射している場合と,そうでない場合を比較した.その結果,光電子画像に顕著な違いが確認できた.この違いはEUV-FELとYAGレーザーのIRによる(2+1')REMPI過程であると考えている.

7.フェムト秒レーザーアブレーションによるクラスターイオン生成
小林徹・松尾由賀利 (独立行政法人 理化学研究所)
2種類の窒化物絶縁体(BNおよびAlN)のフェムト秒レーザーアブレーションによって,BN混合クラスター正イオンおよび純Alクラスター正イオンの生成を見出した.両者の違いが,当該正イオンクラスターの熱力学安定性によって支配されていることが明らかとなった.

8.Optimal probe wave function of weak-value amplification
須佐友紀 (東京工業大学理工学研究科)
"弱測定"とは, 被測定器系の終状態の事後選択をして, 物理量の情報を測定器系の波動関数の 中心値のシフトとして得るという量子測定である. このシフトは"弱値"と呼ばれ, 被測定器系の始状態と終状態が直交していると大きくなるため, 測定で得られる信号は増大される. この効果は実験的に確認されており, 微弱信号の増幅に応用が期待されている. 本発表では上述の信号増幅を行う上で, 実験の設定から得られる弱値を所与として, 最大増幅を与える測定器系の最適な波動関数を導出する. この最適な波動関数を用いた信号増幅では, ガウシアンの場合とは対照的に原理的に上限が無い. また増幅された信号はデルタ関数的であるという特徴を持つ.

9.近赤外パルスによる分子振動波束の操作
後藤 悠(分子科学研究所・大森グループ)
ヨウ素分子の電子励起状態上に生成した分子振動波束に対し,高強度の近赤外フェムト秒レーザーパルスを照射したところ,近赤外パルスの照射のタイミングに依存して,波束の時間発展が変化した.また,このときの各固有状態の位相の変化についても調べたところ,位相シフトがおこり,各固有状態間の相対位相関係が変化していることが分かった.このように,近赤外パルスを照射することにより,各固有状態間の相対位相関係を変化させることが出来れば,ポテンシャルの非調和性によって非局在化した波束を,再び局在化させることが可能になると思われる.

10.On the robustness of quantum communication based on decoherence-free subspace using counter propagating laser light
熊谷 英敏(大阪大学基礎工学研究科)
エンタングルメントをデコヒーレンスから守り忠実に配送することは量子情報処理を行う上で重要である.デコヒーレンスから量子状態を保護する方法としてDecoherence-Free Subspace (DFS)を用いる方法がある.これまでのDFSを用いたエンタングルメント配送プロトコルでは2個の光子を用いてDFS上の状態に符号化する場合,通信路の透過率であるTの2乗に依存した配送効率になり非効率であった.本研究では配送効率Tで実現し,かつ位相雑音だけでなく,偏光回転まで含めた一般的な雑音に対して耐性のあるプロトコルについて報告する.

11.129Xe原子EDM測定に向けた3He共存磁力計の開発
近森正敏(東京工業大学 大学院理工学研究科 基礎物理学専攻)
我々は時間反転対称性を破る物理量である永久電気双極子モーメント(EDM)に着目しており,反磁性原子129Xeを対象としたEDMの超精密測定を目指している.これまでの研究により局所磁場の安定性が現状で最大の系統誤差要因になることが明らかになった.そこで,長時間測定における局所磁場安定化のために,129Xe原子と3He原子を同一セル内に共存させ,3He原子核スピンのラーモア歳差運動を通じて静磁場の大きさを測定する^3^He共存磁力計の開発を行なっている.

12.OROCHI(Optical RI-atom Observation in Condensed Helium as Ion-catcher)実験に向けた蛍光検出系の高度化
手塚博紀,涌井崇志A,古川武B, Yang XiaofeiC,F,筒井正機,今村慧D,山口康広D,三津谷洋助D,小林徹C,畠山温E,植松晴子,松尾由賀利C
(東京学芸大,東北大cyricA,首都大理工B,理研C,明大理工D,農工大工E,北京大F
我々は加速器にて生成された低収量,短寿命なRI原子の核磁気モーメント測定を目指し,超流動ヘリウム(HeU)中でのレーザー核分光法『OROCHI』を開発している.He II中では原子の光吸収波長が放出波長に比べ短波長側にシフトするため,散乱光を効率的に除去しつつ原子のレーザー誘起蛍光(LIF)を観測可能でありRI原子に対して有効な手法と期待される.これまでに安定核87RbからのLIF観測に成功し,本年7月にはRI原子である84Rbに対して本手法を適応するが,収量は87Rb実験時と比較して1/10以下になるため,未だ除去しきれていない散乱光の原因解明と更なる低減など検出系高度化を行ってきた.今回はその詳細を報告する.

13.超流動ヘリウム環境におけるCs原子の超微細構造間隔測定
今村慧,古川武A,Yang XiaofeiB,D,加藤裕樹,山口康広,手塚博紀C,筒井正機C,三津谷洋助,小林徹D,幕田将宏E,畠山温E,小田島仁司,松尾由賀利D
(明大理工,首都大理工A,北京大B,東京学芸大C,理研D,農工大工E
我々の研究グループではレーザー・ラジオ波/マイクロ波二重共鳴法を用いた,超流動ヘリウム環境(HeU)における原子の精密レーザー分光法の開発を目指している.過去に同手法を用いたCs,Rb原子の超微細構造(hfs)間隔の測定を行い,HeU環境において6桁の精度で共鳴周波数を測定することに成功した.また,その真空中との差異は<1%であることが分かった.しかし,hfs間隔は外部磁場の影響により磁場の二乗(二次のzeeman効果)に比例した変化が現れるため測定精度をさらに向上させるには,外部磁場の影響を考慮した測定が必要である.そこで今回,Cs原子に対し印加磁場の値を変化させhfs間隔の測定を行った.

14.超流動ヘリウム環境下におけるIn原子の電子スピン緩和
加藤裕樹,山口康広,古川武A,畠山温B,小林徹C,今村慧,Yang XiaofeiC,D,立川真樹,松尾由賀利C
(明大理工,首都大理工A,農工大工B,理研C,北京大学D
我々は様々な原子に適応可能な汎用性の高いスピン偏極生成法として,超流動ヘリウム(He II)環境下での光ポンピング法を開発している.これまで本手法により,Cs, Rb, Ag, AuなどS状態が基底状態の原子のスピン偏極に成功した.一方で基底状態がS状態以外の原子に関してはスピン偏極の緩和が速いと考えられており,現在までスピン偏極生成は試みられていない.しかし,最近の研究から基底状態がP1/2の原子でも重い原子であれば低温の気相ヘリウム環境下において比較的スピン緩和が遅いことが分かってきた.そこで我々は,低温の液相ヘリウムであるHe II中において基底状態がP1/2のIn原子のスピン偏極の観測を試み,スピン緩和レートを評価した.

15.高繰返し高強度単一アト秒パルス光源の開発
金井 恒人(独立行政法人 理化学研究所)
アト秒物理学において,高エネルギーの孤立したアト秒パルスの発生法を確立することは最も重要な課題の一つである.私達は,高エネルギー,数サイクルパルスの搬送波包絡線位相(CEP)を安定化し,位相整合条件下で本パルスの高次高調波を発生させることにより,高エネルギー単一アト秒パルスの発生を検討している.今回は,本光源の開発状況について報告する.

16.超流動ヘリウム中におけるAlの励起スペクトル測定
三津谷洋助,古川武A,小林徹B,Yang XiaofeiB,C,加藤裕樹,今村慧,山口康広,手塚博紀D,筒井正機D,小田島仁司,松尾由賀利B
(明大理工,首都大理工A,農工大工B, 理研C, 北京大学D
我々は超流動ヘリウム(HeU)中でのレーザー分光を行っている.HeU中に埋め込まれた原子は,周囲のHeとの相互作用により,励起スペクトルが真空中と比べて短波長側にシフトし,スペクトル幅が広がる.この変化の度合いは原子によって異なるが,これまでの研究から13族原子の変化の度合いが1族原子のものと比べて大きい傾向があることがわかってきた.今後この原因を解明する為にも,HeU中での励起スペクトルを正確に測定することは重要である. 今回は過去に測定された13族原子Alについて,測定において問題となる観測領域中の原子数変動を,新たに原子数観測用レーザーを導入することで補正し,より正確な測定を行った.

17.Precision Measurement of Hyperfine Structure of 84,86Rb Atoms -Laser Spectroscopy of RI Atoms in Superfluid Helium(He II)
X.F.YangA,T.FurukawaB,T. WakuiC,H.TetsukaD,K.ImamuraE,Y.YamaguchiE,Y.TsutsuiD,Y.MitsuyaE
Y.IchikawaF,T.KobayashiA,A.HatakeyamaH,M. WadaA,H.UenoA,T.ShimodaI,K.AsahiF,Y.MatsuoA
and OROCHI collaboration
(RIKENA,Tokyo Metropolitan UnivB,Tohoku UnivC,Tokyo Gakugei UnivD,Meiji UnivE
Tokyo Insti. Tech.F,Tokyo Agricul. Tech.H,Osaka UnivI.)
Laser spectroscopy of various atoms in He II has been studied in the past few decades. However, those studies were restricted to the stable atoms. To apply it to the investigation of unstable nuclei, our group developed a new laser spectroscopy technique called "OROCHI"- "Optical RI-atom Observation in Condensed Helium as Ion-catcher". This technique is expected to apply to the investigation of the structure of exotic nuclei far from the stability line by measuring those nuclear spins and electromagnetic moments because they are directly related.
The first candidate for our OROCHI method is the isotopes (84Rb, 86Rb will be the next) of Rb atoms and the experiment for 84Rb will be performed in the end of the following July at the RIKEN RI Beam Factory (RIBF). The preparation for the experiment is now in progress and the status will be presented.

18.ビスマスの二次元平面内原子振動の制御と可視化
○香月浩,1,2 J. C. Delagnes,1 穂坂綱一,1 石岡邦江,3 千葉寿,1,4 E. S. Zijlstra,5 M. E. Garcia,5 高橋弘史,4,6 渡邊一也,7 北島正弘,8松本吉泰,7 中村一隆,4,6大森賢治1,2,4
(1分子研, 2総研大, 3物材研, 4CREST, 5カッセル大, 6東工大, 7京都大, 8防衛大)
本研究では,意図的にチャープさせたフェムト秒パルスを干渉させてTHz領域での光強度の変調を作り出す手法を用いて,半金属ビスマス結晶のA1g及びEgコヒーレントフォノンモードの強度を制御した.観測された反射率の変化とビスマス原子間の相対距離の変化の対応関係については密度関数法を応用した計算により導いた.A1g及びEgの二つのモードは単位セル中の2個のビスマス原子の直交する方向への相対運動に対応しており,二つのモードの強度比を制御することによって,面内でのビスマス原子の運動を制御することができる.実験結果から,二次元平面内におけるビスマス原子の運動のトレースを再構成して,可視化することに成功した.

19.極低温イオン蓄積リングの開発
中野 祐司 (独立行政法人 理化学研究所)
静電場を用いてイオンビームの軌道を制御し,リング状に周回させることで真空容器内にイオンを蓄積することができる.このような装置を静電型イオン蓄積リングと呼ぶ.理化学研究所・東原子分子物理研究室で開発を進めているリングは,真空槽全体を極低温(< 10 K)まで冷却することで,10-13Torrという極高真空を目指している.これにより長時間イオンを蓄積することができるともに,蓄積した分子イオンの振動・回転状態を環境温度まで冷却することが可能となる.2012年度中のテスト運転開始を目指し,冷たい分子イオンを用いた衝突及び分光実験を計画している.

20.コヒーレント共鳴励起によるX線領域の原子物理
中野 祐司 (独立行政法人 理化学研究所)
高速のイオンを薄い結晶に入射すると.イオンは結晶格子の作る周期的なポテンシャル中を通過する.これはイオンの静止系からみるとレーザーの照射に相当し,振動周波数が共鳴条件を満たすとき,共鳴的に電子遷移が起こる.この過程はコヒーレント共鳴励起(またはオコロコフ効果)と呼ばれ,"疑似的な波長可変X線レーザー"とみなすことがでる.本手法を使って偏光の制御やポンプ・プローブを行い,X線領域において光を使わずに原子状態を操作する手法を開発した.また強電磁場中のQEDテストを目指した多価ウランの精密分光などへの応用も行っている.

21.レーザー誘起空気中フィラメントにおけるC3u→ B3g遷移の後方蛍光の増幅
大和田 成起1,Ali Azarm2,Sima Hosseini2,岩崎 純史1,See Leang Chin2,山内 薫1
1・東京大学大学院理学系研究科化学専攻,2Department of Physics,Engineering Physics and Optics & Center for Optics, Photonics and Laser (COPL), ]Laval University)
フェムト秒レーザーを集光することによって,空気中においてフィラメントを生成し,フィラメントの側面および後方からの窒素の蛍光 (337nm,C3u→ B3g) を測定した.フィラメント側面からの蛍光イメージの計測から,レーザーパルスのエネルギーの増加とともに,フィラメント長が増加し,その長さに比例して蛍光信号量が増加することが示された.一方,後方蛍光の強度はフィラメント長に対して指数関数的に増加した.このことは,フィラメント中において,ASE (Amplified Spontaneous Emission) 過程によって発光が増幅されることが確認された.

22.イオントラップ飛行時間型質量分析法によるC6H12+ の強光子場誘起分解反応
山崎嵩雄,歸家令果,山内 薫(東京大学大学院理学系研究科化学専攻)
Paul型イオントラップに捕捉された C6H12+ (シクロヘキサンカチオン)に超短パルス高強度レーザーを照射し,生成した解離イオン種を飛行時間型質量分析法で観測することによって,質量選別されたイオン種の強レーザー場誘起分解反応の研究を行った.フラグメントイオンの生成量のレーザー光強度依存性から,C3H5+ よりサイズの大きいイオン種は,親イオンからの1光子吸収に伴って生成することが明らかになった.

23.数サイクルパルスによるD2の解離性イオン化過程におけるCEP依存性
三浦 瞬,安藤俊明,大高一樹,岩崎純史,山内薫 (東京大学大学院理学系研究科化学専攻)
数サイクル強レーザーパルス(780 nm, ~1×1014 W/cm2, ~4 fs)によって誘起されるD2の解離性イオン化過程の搬送波包絡線位相(CEP)依存性を調べるため,シングルショット位相メーターによって得られる位相情報とコインシデンス運動量画像を同期計測した.CEPの変化に伴って,D+ の放出方向に非対称性が生じることが確かめられた.

 
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