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第1日目 2009年6月12日(金) |
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セッション1.「表面プラズモン」 |
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ディスカッションリーダー 畑中耕治(東大) |
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超微細加工技術の進展によりナノメートルレベルの極めて微細な構造体を作成することが比較的容易となっている。こうした構造体と光との相互作用に おいては、特に金などの金属を対象とする時、プラズモンと呼ばれる電子の集団運動を考慮する必要がある。最近では、微細構造の形状に依存して変化する様々 なプラズモンそのものだけでなく、プラズモン光増強場による多光子ポリマー重合反応や高次高調波発生等も報告されており、ナノ、物理、化学、生物等をキー ワードに多方面への利用が試みられつつある。このような状況を踏まえて、本セッションではプラズモンを利用したバイオセンシングに関する実験とナノスケー ル構造体の光学応答に関する理論に関して、2名の先生方を講師としてお招きし、実験と理論の両面からプラズモンと原子・分子に関して議論する。
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講演1: プラズモン増強場のセンシングへの応用 |
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納谷昌之(富士フィルム) |
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医療・創薬などの分野においては、無標識センシング技術へのニーズが高まっている。この領域において、近接場光という新しい概念の光が重要な役割 を担っている。代表的な近接場光技術は、エバネッセント光、表面プラズモン共鳴(SPR)、局在プラズモン共鳴(LPR)である。これらの光は、反射界 面、あるいはナノ構造体の近傍に局在し、かつ、光強度が増強されるという性質をもつ。LPRは、プリズムを用いない、より簡便なバイオセンサの要素技術と して期待されている。特に、微小共振器とLPRを組み合わせることで、より強い効果が得られる可能性があり、この現象は物理の基礎特性としてもたいへんに 興味深い。LPRによる光強度増強の重要な応用用途として、表面増強ラマン散乱(SERS)が挙げられる。SERSは、サンプル物質特有のラマン散乱スペ クトルを高感度に観測する技術で、従来の光を用いるバイオセンシングが苦手としていた物質同定を可能にする技術として、その実用化が期待されている。 SERSの大きな課題のひとつとして、高感度とデバイスの場所一様性との両立があげられる。我々は陽極酸化アルミの配列ポーラス構造を利用した金ナノマッ シュルーム構造を開発し、この課題を解決する可能性を示した。
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講演2: 巨視的表面構造による光学応答 |
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田丸博晴(東大) |
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ナノオプティクスを巨視的な古典電磁気学の問題として考えた場合、構造が既に波長よりも十分に小さいにも関わらず、連続体の電磁気学として扱える ことは自明な問題ではない。しかし、現実には多くの現象は連続体の電磁気学によって十分によく解析されている。この問題を議論するには、巨視的な微細構造 が光学的にどのように振舞うかを検討し、その構造サイズ依存性を考えることは有用であろう。元来よりナノ領域において光の電場増強効果を生じる構造とし て、先端曲率半径の小さな突針構造が提案されてきた。ここでは、それと対をなす構造として単段差構造を提案する。単段差はp偏光を照射すると段差の位置に おいて磁気双極子放射を発生する。放射源たる磁気双極子のモーメントは段差が低くなるに比例して小さくなるが、局所的な磁場は反比例して大きくなる。ま た、プラズマ共鳴条件はこの現象を増強する効果がある。金属のように損失のある材料において、界面にこのような磁場増強効果が現れた場合、系の吸収が変調 を受ける。原子のステップ-テラスがみられる表面において、その吸収がテラス幅によって変調を受けるという報告は知るところ存在しないが、この段差が2 nmの場合については、磁気双極子放射の影響が見られている例が報告されている。このような事例を紹介しながら微細でありながらも連続体で扱える巨視的な 構造とその光学応答について考察する。
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セッション2.「アト秒科学の最前線」 |
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ディスカッションリーダー 高橋栄治(理研) |
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近年の超短パルス技術の進展は,レーザー場内の光波位相 (Carrier Envelop Phase: CEP)の制御までをも可能にし,時間幅が数フェムト,数サイクルの電場振動しか持たないレーザー光発生が可能になっている.そのような極短パルスは物質の構造や状態変化を実時間で追跡する強力なツールとして広い分野で活躍し,数多くの斬新な結果が得られている事は周知の通りである.
一方,レーザーの時間幅は電場振動の1サイクルの制限を受ける以上,可視域のレーザーを用いた場合,フェムト秒というパルス幅を切ることはできない.つまり,フェムト秒からアト秒域に時間幅を圧縮するには,光の短波長化が必要となる.超短パルスレーザーと原子・分子の相互作用を用いた高次高調波発生は,今現在,アト秒領域の光パルスを発生できる唯一の手法であり,近年「アト秒科学」という研究分野を創出しつつある.アト秒の時間幅を持つ光パルスを用いれば,電子運動の実時間追跡といった研究はもちろんのこと,その高強度性を
活かしてXUV 領域における非線形光学実験といったこれまでにない研究も可能になる.また高次高調波発生のメカニズム自体に着目し,再衝突電子波束からアト秒の時間スケールで原子・分子のダイナミクスや構造を決定するという試みも始まっている.一方,それらの応用研究を切り拓く為に,高調波発生においては「短パルス化」,「短波長化」,「高出力化」という観点から研究が進めらており,短パルス化では 100 アト秒を切る光パルスが得られ,短波長化では keV領域にまで発生波長が拡大している.
本セッションでは、高次高調波発生を用いたアト秒科学研究に精力的に取り組んでいる2名の若手研究者を講師としてお招きし,実験及び理論の両面からアト秒科学研究の現状と可能性について議論する予定である.
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講演1: 高強度レーザーパルスによる超高分解能原子・分子実時間イメージング |
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森下 亨(電通大) |
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X線回折や電子顕微鏡の実用化によって,サブÅの原子サイズの分解能で物質の構造解析が容易に行われるようになって久しい.最近では,空間的情報に加えて,時間的情報についても高分解能で測定し,物質の状態遷移を分析する方法が数多く考案されている.我々は,最近,高強度近赤外レーザーパルスを用いて,空間的にはサブÅ,時間的には数フェムト秒からアト秒(as; 1 as= 10-18秒)領域の超高分解能を持つ原子・分子のイメージングを行う手法としてレーザー誘起電子顕微鏡法 [Light Induced Electron Microscopy (LIEM)]を提案し,理論および実験の両側面から研究を進めている.我々の提案するLIEM 法では,強レーザーの照射によって誘起される"再衝突電子"を利用して、標的固有の情報である標的イオンによる電子の弾性散乱断面積や光再結合断面積を高精度で抽出し,そこから逆散乱問題を解くことによって,標的物質の電荷分布などの情報の構築を目指している.本講演では、LIEM 法の原理について数値計算による結果を用いて説明し,希ガス原子を標的とした実証実験,および分子標的への予備的考察について報告するとともに、今後の課題について言及する.
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講演2: アト秒パルス列と分子の非線形相互作用 |
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沖野友哉(東大) |
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アト秒の時間分解能は、原子・分子内の電子の運動を実時間で観測するために必要不可欠である。真空紫外から極端紫外領域の複数本の高次高調波を重ね合わせれば、アト秒パルスが発生できる。しかし、高次高調波への変換効率が低いこと、高い反射率を有する光学素子が存在しないこと、および真空紫外から極端紫外領域で高効率な非線形媒質が存在しなかったことから、時間構造の自己相関計測による直接的なキャラクタリゼーションは困難であった。高次高調波の高強度化が達成されてから、現在では真空紫外から極端紫外領域の短波長領域においても、光と物質の非線形相互作用を引き起こすことが可能となっている。我々は、近年、原子と比べて大きな2光子吸収断面積を有する分子を用いてアト秒パルス列のキャラクタリゼーションを行った。本講演では、分子を用いたアト秒パルスのキャラクタリゼーションから最近のアト秒パルス列を用いた2光子フーリエ分子分光応用まで、アト秒パルス列と分子の非線形相互作用に関する研究成果について紹介する。
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セッション3.「量子トモグラフィー [Quantum Tomography]」 |
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ディスカッションリーダー 武岡正裕(情報通信研究機構) [Masahiro Takeoka(NICT)] |
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量子トモグラフィーとは、与えられた物理系の未知の量子状態を実験で特定する手法である。量子状態は一度の測定だけでは特定できないが、同じ状態にあるサンプルを多数用意し、適切な測定を行うことで、状態の特性を十分な精度で推定することが可能になる。具体的な測定の手法は、対象系が光か物質か、qubit(二準位系)か多準位系か連続量的系かなどで異なる。また状態を特定するトモグラフィーの他にも、未知の量子ゲートの働きを、種々の既知状態を入力したときの出力状態を測ることにより特定する「プロセストモグラフィー」もある。実験において量子状態やプロセスを十分な精度で特定することは、種々の物理系の基本的なダイナミクスの計測や、量子情報処理を実現した際の性能評価をする上で非常に重要な課題である。本セッションでは光の量子トモグラフィーの最近の話題を紹介し、また理論家と実験家からそれぞれ多準位系およびスピン系のトモグラフィーについて最新の話題を提供いただき、議論する。
Quantum tomography is a method to experimentally verify the characteristics of an unknown quantum state in a given physical system. Sine one can not fully reconstruct the quantum state by measuring a single copy of the state, quantum tomography is carried out by appropriately measuring a sufficient number of identically prepared states. The concrete procedures of the tomography depend on the physical system, e.g. optical or solid systems, two-dimensional (qubit) or n-dimensional or continuous variable systems, etc. One can also make the "quantum process tomography" which is the tomographic technique to verify an unknown quantum process by using a set of known input states and measurements.
Experimental verification of the quantum states or processes is an important issue for measuring the fundamental properties or evaluating the performance of experimental quantum information processing in various physical systems. The issues to be discussed in this session include the recent topics on optical quantum tomography as well as the two invited talks on the theory on higher dimensional systems and the experiment on the solid state spin systems.
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講演1: qunit(多準位)系の量子トモグラフィー [Quantum state tomography of quadrupolar nuclei in nano-structures] |
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Adam Miranowicz(Adam Mickiewicz University) |
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The talk is devoted to quantum information processing and quantum state tomography of nuclear spin-3/2 and spin-7/2 states in nano-structures manufactured by Y. Hirayama et al. [Nature (London) {\bf 434}, 1001 (2005)].
We propose schemes for quantum state tomography of quadrupolar nuclei with spin-3/2 based on an unconventional approach to nuclear magnetic resonance (NMR), where longitudinal magnetization $M_z$ is measured. This is in contrast to the standard NMR experiments and the known NMR tomographic schemes, where the transverse magnetization $M_{xy}$ is detected. Stability (or sensitivity) of the schemes to errors in the measured data is analyzed. Nonlinear reconstruction based on maximum-likelihood method is applied. Schemes with optimized sets of rotations are suggested. An exemplary state reconstruction from numerically simulated experimental data is discussed. The tomographic schemes for quadrupolar nuclei with spin-7/2 and higher spin quantum numbers are also described.
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講演2: 半導体電子スピンの量子トモグラフィー [Spin state tomography of optically injected electrons in a semiconductor] |
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小坂英男(東北大電気通信研究所) [Hideo Kosaka(Research Institute of Electrical Communication, Tohoku University & CREST-JST )] |
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スピンは電子の基本特性であり、情報記憶において重要な役割を果たす。スピンを用いた量子情報技術では、電子スピン状態の生成と読み出しが不可欠 な機能となる。スピン状態のコヒーレンスはその量子性の現れであるため、生成と読み出しの両者がスピンコヒーレントでなければならない。しかし、カー回転 を利用した従来のスピン測定手法は、磁気光学カー効果による反射偏光の回転を利用してスピンポピュレーションを測定するが、スピンコヒーレンスを推測する ために、余分なスピン操作または歳差運動というステップを必要とする。我々は、従来のカー回転法を一般化して、スピンダイナミクスを操作しなくても、電子 スピンコヒーレンスの直接測定を可能にする手法について報告する。これにより、任意セットの基底状態でスピン射影を測定できる。この手法はスピン状態トモ グラフィーを可能にするため、我々はこれをトモグラフィック・カー回転(tomographic Kerr rotation)と呼んでいる。我々は、光の偏光コヒーレンスが電子のスピンコヒーレンスに転写されることを実証し、この確認を、歳差運動電子をもつ半 導体量子井戸と非歳差運動電子をもつ半導体量子井戸にトモグラフィック・カー回転法を適用することによって行っている。スピン状態の転写とトモグラフィー によって、固体中で基底に依存しないスピン量子状態の生成と読み出しを行う手段が得られる。
Spin is a fundamental property of electrons and plays an important role in information storage. For spin-based quantum information technology, preparation and read-out of the electron spin state should be spin coherent. However, both the traditional preparation and read-out were projective to up/down spin states, which do not carry the spin coherence. Here we demonstrate that the polarization coherence of light can be coherently transferred to the spin coherence of electrons in a semiconductor quantum well, and the prepared coherence of the electron spin can also be coherently read out with light by the developed tomographic Kerr rotation method.
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第2日目 2009年6月14日(土) |
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セッション4.「Bell不等式実験の進展・意義・課題・光vs光以外」 |
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ディスカッションリーダー 井元信之(阪大) |
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局所実在論を仮定する―すなわち測定データはそれを見る前に決まっていたとし、かつそれを決めた原因から結果への影響伝搬は光速を超えることはないとする ―と、ある測定値が満たすべき不等式が導かれる。1965年に発見されたBell不等式は、以来、光を用いた多くの実験によりそれが破れていることが示さ れたが、本当に光速以下のあらゆる影響を排除したか等のクレームがついて来た。決定打と言われた1982年のアスペの実験もまだ厳密でないとされる。各種 クレームに対する得失が異なるため、光以外のものでBell不等式を検証する実験が最近相次いで行われている。また局所・実在のうち局所性を若干緩めた Leggett不等式の実験も光および光以外でも行われている。本セッションではこれらの概要を紹介したあと陽子対や素粒子で行われている実験について話 題提供いただき、多様な媒体での実験の可能性を議論する。
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講演1: 陽子対によるBell不等式検証実験とその意義 |
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酒井英行(東大) |
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量子論の際立った特徴の一つに量子相関(もつれ合い,絡み合い)がある.アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼン(EPR)は,古典的描像に基づく局所 実在論の観点からこの量子相関に基づいた量子論の不完全性を議論した.この古典描像と量子描像の対立は,いわゆるEPRパラドックスとして知られるもので あるが,当初実験的な検証は不可能だと考えられていた.しかし約30年後にベルは,局所実在論による相関に関して不等式が成立することを発見し,このパラ ドックスが実験的に検証できることを指摘した.我々は,強い相互作用をするフェルミ粒子系である陽子対についてスピン偏極相関の高精度測定に初めて成功 し,量子論に特有な非局所性を確認した.本稿ではその内容について述べるとともに,1980年代に行われたアスペらによる光子対による実験との違いについ ても簡単に紹介する.
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講演2: B-中間子によるBell不等式の検証実験とその意義 |
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筒井 泉(高エネ研) |
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高エネルギー加速器での中間子の対生成を用いたBell不等式の検証実験は、不等式の発見当初からBell自身がK-中間子について想定していたものであったが、その試みは近年になってCERN(スイス)やFrascati(イタリア)で実施され、さらに最近ではB-中間子を用いたより精度の高い実験が行われるようになっている。本講演では、これらの中間子を用いた検証実験の基本的な構想と光子を用いた実験との比較についてお話し、併せて最近のKEK(日本)でのB-中間子を用いた検証実験から何が言えるかなど、実験と理論の現状及びその意義について紹介する。
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セッション5.「Ultracold Molecules」 |
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Discussion Leader Kenji Omori(IMS) |
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Ultracold molecules are the molecules with their translational motions frozen to micro K or lower, and with the electronic, vibrational, and rotational degrees of freedom populated to well-defined quantum states. It is an ideal target of so-called "coherent control" for the control of quantum dynamics and functionality of molecules with coherent light with possible applications to chemical reaction control, fundamental test of physical constants, quantum simulators of solid-state physics, and quantum information processing. The production and manipulation of ultracold molecules is, therefore, a common forefront to physical chemistry, fundamental physics, and information science, with keen competitions going on among the top researchers of these different research fields.
In the field of physical chemistry, coherent control of a thermal ensemble of molecules is one of the subjects investigated most actively for the past 20 years. For more successful control, the initial quantum state of an ensemble should hopefully be well defined. This situation has made physical chemists seek for an ensemble of ultracold molecules. Ultracold molecules are, however, much more difficult to prepare than ultracold atoms since the conventional laser-cooling technique developed for atoms by ultracold physicists does not work for molecules with more internal degrees of freedom. Therefore physical chemists need to investigate the physics of ultracold molecules itself by fully utilizing their matured knowledge on molecular spectroscopy.
Ultracold physics has been developed independently from the field of physical chemistry, based mainly on the quantum manipulation of atoms instead of molecules. In the early 2000's, a novel concept has been proposed by ultracold physicists to utilize dipole-dipole interaction between trapped polar molecules to develop a large-scale quantum computer. This was one of the turning points for the cold physicists to extend their scope to cold and trapped molecules. Moreover, an ensemble of trapped ultracold molecules should be more ideal tool than an atomic one to simulate solid-state physics, and possible temporal variations of physical constants such as EDM, the proton/electron mass ratio, and the fine structure constant could be tested much more precisely with cold molecules than cold atoms by several orders of magnitudes. For all these three reasons ultracold physicists are rapidly approaching the field of physical chemistry, employing the philosophy of molecular spectroscopy developed by physical chemists.
These two mutually opposite streams of chemistry and physics toward ultracold molecules are quickly blurring their border. This melting pot will certainly produce a new horizon where we need chemistry to understand physics, and physics to drive chemistry forward.
The brand-new achievements in this melting pot and its future perspective will be discussed in this session.
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講演1: Ultracold polar molecules |
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Matthias Weidemüller (Physikalisches Institut der Universität Heidelberg) |
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Recently, there has been important progress in the formation of ultracold polar molecules in the rovibrational ground state, thus opening intriguing perspectives for the investigation of strongly correlated quantum systems under the influence of long-range dipolar forces. In my talk, I will present our recent experiments on the photoassociation of ultracold LiCs molecules in the absolute ground state X1Σ+, v''=0, J''=0 starting from laser-cooled atoms [1]. LiCs is particularly interesting as it has very large electric dipole moment of 5 Debye. The rotational and vibrational state of the ground state molecules is determined in a setup combining depletion spectroscopy with resonant- enhanced multi-photon ionization time-of-flight spectroscopy. Absolute rate constants for photoassociation at large detunings from the atomic asymptote are determined and are found to be surprisingly large. The photoassociation process is modeled using a full coupled-channel calculation for the continuum state, taking all relevant hyperfine states into account. Our results elucidate the important role of couplings in the scattering wavefunction for the formation of deeply bound ground state molecules via photoassociation [2]. Future prospects for reaching quantum-degeneracy with polar molecules will be discussed.
[1] J. Deiglmayr et al., Phys. Rev. Lett. 101, 133004 (2008)
[2] J. Deiglmayr et al., New J. Phys., in press.
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講演2: Toward production of quantum degenerate bosonic polar molecules 41K87Rb |
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Shin Inouye(The University of Tokyo) |
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Quantum degenerate gases of polar molecules are regarded as one of the most exotic quantum many-body systems for the anisotropic and long-range nature of dipole-dipole interaction. Novel quantum phases such as crystal and supersolid are predicted for a Bose-Einstein condensate of polar molecules. The dipole-dipole interaction between molecules in an optical lattice is expected to pave the way to simulate a spin system, while the controllability of the anisotropic interaction via a microwave will offer a new tool to explore physics in a quantum many-body system.
We review our experimental progress toward producing quantum degenerate bosonic polar molecules 41K87Rb. Our primary goal is to transfer quantum degenerate Feshbach molecules into the absolute ground state via the stimulated Raman adiabatic passage (STIRAP). We have achieved a dual-species Bose-Einstein condensate of 41K and 87Rb in a magnetic trap. An optimum optical transition for STIRAP is being identified by a separate experiment based on photoassociation in a dual-species magneto-optical trap of 41K and87Rb.
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