討論会について 討論会に申し込む プログラム お問い合わせ
   
第1日目 2010年6月11日(金)
 
セッション1.「凝縮系の量子コヒーレンス」
(Quantum coherence in condensed matter)
ディスカッションリーダー:中村 一隆
 原子・分子では、光を用いて量子状態をコヒーレントに制御することが可能になっている。一方、凝縮系においてはデコヒーレンスが強いために量子コヒーレンスはきわめて短い時間に失われてしまう。そのため、凝縮系で量子コヒーレンスを測定するためにはフェムト秒からアト秒の時間スケールで精緻に制御したパルス光を用いることが必要である。近年、超短パルスレーザーを用いて、凝縮系媒体中の分子の量子状態制御やフォノンのコヒーレント状態の計測と制御の研究が進められている。凝縮系において、量子コヒーレンスが保持される空間サイズと時間スケールの関係を明らかにすることは、デコヒーレンスの物理の理解や量子古典境界の解明につながるものである。本セッションでは、超短パルスレーザーを用いて凝縮系物質の量子状態の計測および制御の研究に精力的に取り組んでいる2名の若手研究者を講師としてお招きし、最新の研究成果について紹介して頂くとともに、凝縮系での量子コヒーレント制御の可能性について議論する予定である。
Top
講演1: アト秒精度のコヒーレント制御:凝縮系への挑戦
(Coherent control with attosecond precision 〜 route toward condensed phases)
  香月 浩之

 二つの波が重なった時に生じる干渉現象は波が示す普遍的な現象である。ミクロ な粒子の運動を記述する量子力学の帰結として、分子が持つ内部状態である振動 や回転状態も波の一種である波動関数で記述される。様々な光パルス整形技術の 発展により、比較的単純な気相中の孤立分子を対象とした量子波束干渉制御実験 は、既にかなりの完成度に近づいている。今後の展開の一つの方向性として、凝 縮系を対象とした波束干渉制御の試みについて紹介する。凝縮系では分子間の相 互作用や熱浴との相互作用が重要となるため、より実践的なコヒーレント制御を 目指すためのよいモデルケースとなりうる。

 今回は分子性結晶の一種である、固体パラ水素結晶を対象とした量子状態制御の 実験を紹介する。パラ水素分子は極低温下では回転量子数J=0の状態を占有し、 その波動関数は等方的であるため、パーマネントな電気的相互作用は存在しな い。さらに分子が軽く、電子数が小さいために、分散力相互作用も弱く、分子間 に働く相互作用は非常に弱い。結果的に、凝縮系で量子状態が非局在化していな がら、各分子が"ほぼ自由"に回転・振動していると見なすことができ、凝縮系を 対象とした波束干渉制御の試みのサンプルとしては理想的である。新たに開発し た手法を用い、固体パラ水素中の非局在化した振動や回転の励起状態を対象とし た量子波束干渉制御の実験を紹介する。
Top
講演2: サブ10フェムト秒レーザによるコヒーレントフォノンダイナミクス
(Coherent phonon dynamics by sub-10-fs laser pulses)
  加藤 景子
 格子振動の振動周期より十分に短い時間幅を有する超短パルスレーザを固体に照射すると、位相のそろった格子振動、すなわちコヒーレントフォノンを駆動することができる。1980年代から始まったコヒーレントフォノン分光も、レーザの短パルス化やパルス制御技術の時間分解能の向上に伴い、ナノ物質の計測への展開や光による物性のコヒーレント制御へと研究のモチベーションが変化しつつある。 本講演では、サブ10フェムト秒レーザによるコヒーレントフォノン測定に関する実験結果を報告する。Siを対象とし、不純物ドーピングによって顕著になったキャリア(電子または正孔)とフォノンとの相互作用についてコヒーレントフォノン測定とラマン測定との比較を交えながら議論する。さらに、代表的なナノ物質であるカーボンナノチューブのコヒーレントフォノンに関し最新の実験結果を報告、その応用について考察する。
Top
セッション2.「原子・分子・イオンによる量子情報処理へのアプローチ」
(Quantum Information Processing by atoms, molecules, and ions)
ディスカッションリーダー:北川 勝浩
 AMO討論会の量子情報セッションではこれまでに光子による量子情報処理や光と原子集団の相互作用が取り上げられて来たが、今回は原子・分子・イオンを取り上げたい。これらは、原子レベルからのボトムアップアプローチという点で共通しており、半導体や超伝導体の微細加工によるトップダウンアプローチと対照的である。
 分子の核スピンは比較的デコヒーレンス時間が長く、核スピン間には演算に利用できる適度な相互作用があり、かつ、核磁気共鳴(NMR) 分光で培われた高度なパルス系列によって比較的自在に操ることができる。1996年にNMRを使った量子計算が提案され、量子演算や量子アルゴリズムの実験が盛んに行われ、 2001年には7量子ビットの分子を使ったShorのアルゴリズムによる15の素因数分解が報告されている。これらのNMRQC実験は『話がうま過ぎる』感じがし、現実に否定的な理論が発表されて、その評価が定着してしまった。しかし、『正統な』初期化を施せば、その問題は解決する。核スピンや電子スピンを量子ビットとするスケーラブルな(超)分子系が設計・合成可能であり、磁気共鳴による高精度量子演算と合わせて、分子スピンアプローチの魅力となっている。
 原子・イオンについてはそれぞれ日本における第一人者を講師としてお招きし、現状と可能性について語っていただく。セッション後半は量子ビットとしての原子・分子・イオンの今後の展望について討論したい。
Top
講演1: イオン トラップを用いた量子情報処理
(Quantum information processing with trapped ions)
  占部 伸二
 イオントラップ は最初、質量分析の一手法として考案され、1960年代に分光への応用が開始された。1970年代後 半にレーザー冷却が提案されると、イオントラップ中のイオンを用いて実験的に最初に実証された。その後、単一イオンのトラッピング、量子跳躍が1980年代に 実験的に示され、1990年代後半からは量子情報処理、周波数標準への応用が本格的に進められて いる。イオントラップ技術の特徴は、周囲からの擾乱の少ない環境に、ミクロな粒子であるイオンを、一個あるいは数個といった制御できる数だけ空間に並べ、 内部および外部の量子状態を操作できることである。このような特徴を生かして、技術の進展とともに、単一イオンを用いた光周波数標準は現在最高の確度を記 録している。量子情報処理に関しては、これまでに少数個のイオンを用いていくつかの量子アルゴリズムが実証されている。本報告ではイオントラップを用いた 量子情報処理について、現在の研究動向、我々の研究の現状、および今後の問題点について、これまでイオントラップの実験に従事してきた立場から紹介する。
Top
講演2: 中性原子を用いた量子情報処理へのアプローチ
(Neutral Atom Approaches to Quantum Information Processing)
  向井 哲哉
 原子の示す光の吸収・発光が、特定の波長、即ち、エネルギーでのみ起こることは、古典力学では説明できない量子力学的性質を端的に示す結果である。このことから、量子力学的な状態の制御を目標とする量子情報処理の実現手段として、原子を用いることは最も自然なアプローチのひとつと考えられる。現に、レーザーと多数の原子の集団平均を用いて、2つの量子系に量子相関を持たせることが実現され、原子が、量子情報処理へと利用できることに疑いの余地は無い。しかしながら、量子計算のような、より込み入った量子状態の操作を目指す場合、量子状態の担い手、即ち「量子ビット」が、多数の原子の集団平均で表現され、技術的に高々数個しか扱えないことは問題であり、理想的には1つの原子をひとつの量子ビットとして扱うことが期待されている。このような個々の原子の量子状態操作の実現には、原子の内部状態のみならず、外部自由度も含めて、全量子的な操作が要求されるため、原子冷却技術を駆使した光格子やアトムチップの方法が、現在盛んに研究されている。このような、中性原子を用いた量子情報処理へのアプローチについて、アトムチップの方法に現在取り組んでいる実験研究者の立場から、各方法を比較して、現状・課題・目標などについて議論する。
Top
セッション3.「原子分子を使った基礎物理」
(Fundamental physics using atoms and molecules)
ディスカッションリーダー:杉山 和彦
 現在受け入れられている物理法則の枠組みでは、暗黒物質の存在や物質優勢宇宙など、説明できない謎が今なお存在する。従来の理論、あるいはこれらの謎を解決すべく新たに提案された理論により予測される結果を検証し、物理のより深い理解と新しい理論の枠組みの構築につなげるために、大型の加速器を建設し未確認の粒子を捕らえようとする実験が進められてきた。その一方で、精密測定の極限を追求して非常に小さい効果を検出することから、同様に物理理論の検証を目指す実験研究が存在する。その中で、永久電気双極子能率(electric dipole moment : EDM)を探索する研究に注目する。EDMが有限の値で検出されれば、時間反転対称性、あるいはCP対称性の破れを検出したことになる。現在、標準理論をこえる新しい素粒子理論が提案されているが、有望視される理論の多くでEDMの値が観測にかかる程度の大きさになる可能性が示されている。EDMの探索はいくつかの方法で行われている。そのなかで、反磁性原子を用いて核のEDMの検出を目指している東工大の旭先生、冷却分子を用いて電子のEDMの検出を目指しているハーバード大学のDoyle先生、原子分子を用いる方法の第一人者であるお二方に講演をお願いし議論する。Doyle先生は冷却分子の研究の第一人者でもあり、この方面の研究に興味のある方々も応用の一つとして関心をもって参加していただければと思う。
Top
講演1: 光学結合フィードバックによる核スピンメーザーを用いた 129Xe 原子 EDEM の探索
(Search for an electric dipole moment in 129Xe atom with an optical-coupling nuclear spin oscillator)
  旭 耕一郎

Nuclear spin in a diamagnetic atom, such as Xe, Hg, and Rn, constitutes an almost ideally isolated system that follows quantum mechanical laws. In fact the spin relaxation time for, e.g., 129Xe nucleus in an atom of Xe ranges up to several hundreds of seconds, and can serve as an exclusive testing ground for fundamental symmetries by means of intricate spin control.

We are developing a nuclear spin oscillator of a new type, which employs a feedback scheme based on an optical spin detection and succeeding spin control by a transverse field application. This spin oscillator parallels the conventional spin maser in many points, but exhibits advantages and requirements that are different from those with the spin maser. By means of the optical-coupling nuclear spin oscillator, an experimental setup to search for an electric dipole moment (EDM) in a spin 1/2 diamagnetic atom 129Xe is being developed. Until now, a frequency precision of 9 nHz has been attained which, with the application of an electric field of 10 kV/cm, would correspond to an EDM precision better than the current experimental limit of 4.0×10-27 ecm for 129Xe atom but still a step worse than that for 199Hg.
講演2: Search for the electric dipole moment of the electron with thorium oxide
  John M. Doyle
The electric dipole moment of the electron (eEDM) is a signature of CP-violating physics beyond the Standard Model. We have begun an experiment to measure or set improved limits to the eEDM, using a cold beam of thorium oxide (ThO) molecules. The projected statistical sensitivity of an eEDM measurement could be improved by as much as 1000 compared to the current experimental limit using a first generation cold ThO beam. This beam is produced using a new method that combines cold inert coolant gases in a way that enhances on-axis single quantum state flux, a key parameter that determines sensitivity in Ramsey-type resonance experiments with molecules. An overview of the experimental approach and recent data/progress will be presented.
 
Top
第2日目 2010年6月12日(土)
 
セッション4.「メゾスケール生体分子系の機能発現における運動と揺らぎ」
(Dynamics, fluctuation and functional behavior of biomolecules in the mesoscopic scale)
ディスカッションリーダー:河野 裕彦

 従来ともすれば、生体分子の研究は平衡統計力学の枠組の中で解析されることが多い。しかし、生体分子の機能発現の理解には非平衡統計力学が必要とされることは論を待たない。特にマクロとミクロの中間スケールにおける非平衡統計現象の解析では、熱雑音にとどまらず、1/f雑音や「まれな事象」、あるいは力学系や少数分子系の視点を含めて、「そもそも揺らぎとは何か?」「揺らぎが生体分子の機能発現に果たす役割は何なのか?」を問うことが必要となる。

 そのような新たな方向を目指す基礎作業として、本セッションでは、揺らぐ環境下の状態変化に対して、反応過程における決定論性を明らかにする研究と、Jarzynski等式を始めとする非平衡統計物理に依拠し、揺らぐ環境下において外場応答から系の情報を得る課題に関する研究という二つの講演をお願いした。これらの研究成果を踏まえて、生体分子の機能発現に関して、新たな視点を展望すべく、講演者および参加者からの大胆な議論を期待したい。
Top
講演1: 熱的に揺らぐ環境下における化学反応の力学的決定性
(Dynamical determinicity of chemical reactions under a thermally fluctuating environment)
  小松崎 民樹

 分子機能とは「外界からの刺激に対する応答として始まる一連の構造変化とそれに伴う化学反応」である。しかしながら、熱揺らぎの環境下で、数kBT差のイベントとされる分子機能が頑健に発現する動的原理は明らかにされていない。ランジュバン方程式に依拠するクラマース理論などでは、なんらかの"反応の進行を表す自由度"が"熱浴"との相互作用を通して「揺動」と「散逸」を受けつつ、熱励起することによって、化学反応は、(反応の「前」と「後」を二分する)遷移状態と呼ばれる領域を行きつ戻りつしながら、最終的に反応する確率過程として捉えられている。

 しかしながら、生体高分子のように空間的異方性を持つ共有結合と水素結合が混在しているような特異な多自由度力学系において「反応自由度および熱浴自由度とはなにか」という基本問題に対する一般的な解答はない。熱揺らぎの環境下における生体分子機能の頑健な発現原理を理解するためには、「生体高分子の系固有の非線形性や熱浴との相互作用を考慮に入れた反応(熱浴)自由度の同定」という従来の反応理論が避けてきた問題を問う必要性がある。

 本講演では(一般化)ランジュバン熱浴下における多自由度化学反応系において、反応系自体に内在する非線形相互作用や熱浴との相互作用を顕に考慮に入れた新しい反応座標を導出し、"確率過程"に内在する状態変化の決定性についての最近の我々の研究成果を紹介したい。なお、本研究は河合信之輔氏との共同研究である。

Top
講演2: 揺らぐ系における外場応答動力学への理論的アプローチ
(Theoretical approach to response of stochastic systems to external perturbations)
  大久保 潤
 近年,1分子計測技術などに代表される測定・制御技術の進歩により,小さな系に対する実験及び理論的研究が盛んに行われている.特に非平衡物理の文脈において,Jarzynski等式を始めとして,実験とも絡んだ有用な理論が発展しつつある.本講演では「揺らぐ環境において外場応答からどのようにして系の情報を得るか」という問題について議論したい.まず始めに非平衡物理の理論に関して,近年の進展を簡単に概説する.続いて,確率系において粒子の移動や光子の放出などの回数の統計性を扱う「計数統計」という枠組みについて説明する.最後に,計数統計の例として振動電場などの周期摂動下で生じる非平衡の「流れ」を取り上げ,計数統計における「幾何学的位相」についての我々の研究成果を紹介したい.
Top
セッション5.「フォトニックナノ構造技術の進展と固体共振器電気力学」
(Recent advances in photonic nanostructures and solid-state cavity quantum electrodynamics)
ディスカッションリーダー:岩本 敏
 近年のナノ構造形成技術やナノ加工技術の進展により、量子ドットになどの半導体ナノ構造による電子の制御とその物理に対する理解が進むとともに、フォトニック結晶ナノ共振器に代表される高Q値微小共振器が比較的容易に実現できるようになってきた。これら技術領域の発展は、量子エレクトロニクスやオプトエレクトロニクス研究の新たな展開に大きく貢献していることは周知のとおりである。さらに最近では、高Q微小共振器中の量子ドット励起子と共振器光子の相互作用の結果として、発光寿命の短縮や真空ラビ分裂などといった現象が観測されるようになってきた。原子やイオンを用いて研究が進められてきた共振器量子電気力学の固体版である。現在では、その基礎物理の探求とともに、非古典光の発生などといった量子情報デバイスとしての応用への期待も高まりつつなる。本セッションでは、2名の先生方をお招きし、フォトニック結晶による輻射場制御と量子ドットなどと組み合わせた系で実現される固体共振器電気力学の基礎から最近の進展、将来展望について議論する。さらに、原子やイオンなどでは見られない固体特有の現象についても実験結果を交えながら議論する。
Top
講演1: フォトニック結晶共振器の基礎とCavity QEDへの応用
(Fundamentals of photonic crystal microcavities and their application to cavity QED)
  追田 和彰
 本発表では,このセッションの中心テーマであるフォトニック結晶共振器のCavity QEDへの応用を念頭に置きながら,フォトニック結晶による輻射場制御とこれを利用した物質の光学特性の改変についてレビューします。まず,フォトニックバンド端における自然放出の2重増強を例にとり,フォトニック結晶で容易に実現される異常な光の状態密度や群速度が,特異な光学現象をもたらすことを示します。次に,そのような輻射場制御の基礎である,フォトニック結晶の光の分散関係,フォトニックバンドギャップ,局在電磁モード,光導波路について説明した後,小さな群速度による各種光学過程の増強効果やラビ分裂に伴う電子励起状態の部分的緩和現象などについて解説します。最後に,Cavity QED実験の舞台となるスラブ型フォトニック結晶の性質について詳しく述べ,局在電磁モードによるQ値が高く,モード体積の小さな微小光共振器について解説した後,GaAs量子ドットのパーセル効果の実証実験を紹介します。
Top
講演2: 固体ナノ構造におけるCavity QED
(Cavity QED in Solid-State Nanostructures)
  俵 毅彦
 真空共振器中に置かれた原子やイオンを用いた"純粋"な系で発展してきた共振器量子電気力学(Cavity QED)も、近年の量子ナノ・フォトニックナノ両構造作製技術の進展に伴い固体材料を用いた研究が可能となった。特に半導体量子ナノ構造中の励起子は光子との相互作用が原子と比べはるかに大きく、それを取り巻くフォトニックナノ構造も微小かつ堅牢であるため、固体Cavity QEDは量子光機能デバイスを実現する候補として大きな期待が寄せられている。一方で原子・イオン系では見られない固体特有の現象も多く観測され初めている。例えば励起子と非共鳴状態にある共振モードからの強い発光の存在などであり、これらは原子系で構築されてきた理論モデルでは説明が出来ない。現在も固体独自のモデル提唱やその実験的検証などが盛んに行われ、固体Cavity QEDの確立が世界的に取り組まれている。本講演ではこのような最近の固体Cavity QED研究の進展と原子・イオン系と異なる現象の観測例を紹介するとともに、これら現象の発生メカニズムを固体特有の大きな励起子位相緩和速度と背景輻射の存在に着目して議論する。
 
Top